ビジネス能力検定 B検 ジョブパス >> 導入事例 >> 【導入事例】中央工学校
中央工学校
 「心の教育」は技術者にも不可欠。B検の授業を通じて人間力を養う
2018年に創立110周年を迎える中央工学校は、工業技術教育の雄として1世紀以上にわたり10万人を越える中堅技術者を輩出してきた老舗の専門学校です。 建学以来の校是である「堅実」を継承し、「誠実で豊かな社会性を有する技術者を育成する」ことを学校の目的にする同校では、B検の意義をどう捉えているのでしょうか。 校長先生と教科担任の先生にお話を伺いました。
  • 技術を活かすには、まず社会人としてのコミュニケーション能力
  • B検テキストをベースに就職対策、業界マナーなどに授業を発展
  • 合格の達成感を得るとともに、言葉使いや立ち居振る舞いを意識
詳しくはページ最下部に掲載

建築設備設計科2年 Oさん


建築設備設計科2年 Kさん

「これからの学生に身につけて欲しい能力」

「B検の教育的な効果」

松田学校長

「指導時の工夫」

「解決したい学生の課題」

建築系・建築設備設計科主任 中村先生
 「中央工学校はものづくりの学校ですが、物を造る技術だけではなく、そのための心の教育も正しく行おうという考え方が根本にあります」と語るのは同校の松田正之校長。技術の習得を「実務教育」、心の育成を「人間涵養教育」と位置付け、後者においては全学年必修の軽井沢合宿研修をはじめ、豊富な演習やグループワークを通して「人間力」を磨いています。

 「ものづくりの現場では1人でできる仕事など何もありません。学んだ技術を社会で活かすにはマニュアルの応用に留まらない問題発見・解決能力が求められますが、それを実現するために必要なのが社会人としてのコミュニケーション能力です。ですがその観点から見ると学生は経験値が足りません。そこを補うツールとしてB検が有効だと考えています」(松田校長)。

 技術と心の両輪を育てる。その教育成果を就職状況から見ると、同校の就職率は好不況に左右されず常に100%近くで推移しています。特に卒業生を毎年採用している企業では「送り出される人材のレベルに差がなく一様に優秀。即戦力として通用する」という評価が定着しています。

 B検テキストをベースに就職対策、業界マナーなどに授業を発展
 同校では5年前から建築系の7学科全てのカリキュラムに、B検の試験対策を含めた必修科目「ビジネスマナー」を導入しています。その中で建築設備設計科の授業を担当するのが中村泰久先生。同科は空調や給排水、衛生設備の設計・施工・保守管理を行う技術者を育成する、現在では関東で唯一の学科として全国から学生が集まります。「卒業後は大半が衛生設備や空調設備の関連会社に就職します。1年次から就職活動が始まるので、授業では一般社会の常識に加え、就職活動に必要な知識や建設界の常識を教えているのが特色です」(中村先生)。

 一例として、「お疲れさま」と常に声を掛け合い同時に安全への意識を徹底するといった特有のマナーですが、未知の業界に抱く漠然とした不安を和らげる一助になると言います。授業はB検3級のテキストと問題集をベースに進めつつ、SPI対策や業界マナーなど学科の特性に応じて内容を発展させています。

 教える上での課題は活字離れの学生が目立つこととグラフや表を読みこなす力が弱いこと。そのため新聞記事や社説を編集したサブプリントを作成・配布するほか、B検テキストのグラフ問題などを集中的に講義しています。建築設備設計科の場合、授業は1年次上半期の半年間ですが、到達目標として3級合格を掲げており、受験勉強を通して自宅学習の習慣付けも図っています。「学生たちは合格という成果を手にすることで達成感を得るとともに、普段でもTPOをしっかり意識した言葉使いや立ち居振る舞いをするようになりました。不景気な時でも本校の学生が引く手あまたなのは、技術教育の信頼だけでなく、こうした社会性もあわせ持っていると思います」(中村先生)。同校の人間涵養教育の一環として、B検は欠かせないツールになっているようです。

知らないことの驚きが、学びの面白さをかきたてました。
建築設備設計科 2年 Kさん
 B検の授業を初めて受けた時、真っ先に感じたのは「驚き」です。テーマは入室のルールで「ノックは3回」「『どうぞ』と言われるのを待って『失礼します』とドアを開ける」といった内容。なぜ驚いたかというと、僕は「ノックは2回」と思い込んでいて、また返答を待って入る、ということすら知らなかったからです。こうしたマナーには納得できる理由もきちんとあって、これまで自分がいかに間違った作法で行動してきたか、振り返って恥ずかしくなりました。そこから一気に興味が湧き、知らない常識が出てくると次々吸収していきました。中村先生の授業は教科書に載っていることだけではなく、建設現場で実際に起こったことが盛り込まれているので、近い将来働く建設業界を身近に感じました。先生の教えは就職してからきっと「あの時言われたのはこういうことだったのか」と腑に落ちるものだと思います。

 1年生の4月から9月まで授業を受けてB検3級に合格。学校生活では特にアルバイト先でB検の学びが役立ちました。僕がアルバイトしていたのはチェーンの飲食店で男性のお客様が多く、時にはきついクレームを受けることもあります。そんな時、ぱっと頭にB検のケーススタディーが浮かび、冷静に話を聞いて対処することができました。もちろん就職活動にも活かされたと思います。実は「面接」というものを受けたのは、就職試験が人生初。かなり緊張して記憶にないほどですが、それでも入退室は作法通りできた気がします。最初に受けた第1志望の衛生設備会社からすぐ内定を頂いたので、就職面接はこの一度限り。施工管理者としてこれから年上の職人さん方と多く接すると思いますが、より良いチークワークが発揮できるよう、B検の教えを忘れずに現場の人間関係に気を配っていきます。
普段読まない新聞の精読を通して、社会への関心が高まりました
建築設備設計科 2年 Oさん
 家業が設備会社で昔からこの仕事に親しんでいましたが、男社会だからと父に反対されて一度は断念。大学で幼稚園教諭と保育士の資格を取り、いざ就職をと考えた時に、やはり設備工事の道に進みたいという想いが湧き上がり、父を説得して中央工学校に入り直しました。B検と似た授業は大学時代にも受けましたが、就職対策に特化していて、どちらかというとお辞儀の角度や挨拶の決まり文句などのテクニカルなものが中心。教科書を使ってマナーやルールが成立した背景からあらためて詳しく学ぶのはとても新鮮でした。敬語も、尊敬語や謙譲語、丁寧語の使い分けを教わったので、アルバイト先のレストランの接客にすぐに活かせました。

 授業ではさらに踏み込んで、例えば「ランニングコスト」などのビジネス用語も学びました。一番面白かったのは時事問題系の新聞を読む講義で、普段ほとんど新聞を読まない私は、「アベノミクス」や「三本の矢」など、言葉は知っているけど実は具体的に何も知らないという事実に気付かされました。もちろんTVニュースは観ますが、TVだと一部を切り取ったり報道が偏ったりして、意味を把握することは難しいようです。新聞だと知りたいニュースをじっくり読め、社説なども併せてくっきり理解することができて、社会への関心も高まりました。また正式な文章の書き方について学んだことは、レポートや感想文のほか、履歴書などにも広く応用できています。

 現在は設備系の会社に絞って就職活動中。武器になる資格は建築施工管理技士を取得したほか、管工事施工管理技士試験もこのほど受験します。B検3級の時に資格試験の勉強法が身についたので、専攻分野の試験勉強も比較的入りやすかったですね。またB検を学んだだけでなく資格という「証明」を得たことは、これから社会に出るにあたり、人にも誇れる自信につながっています。
(取材日:2017年10月)
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