ビジネス能力検定 B検 ジョブパス >> 導入事例 >> 【導入事例】国際理容美容専門学校
国際理容美容専門学校
 「学びと実践」即時の好循環 B検の学び サロンワークで活きる
 理美容業界に多くの人材を輩出する国際理容美容専門学校では、教育方針の1つである躾教育を通して、実践的な「人間力教育」を実施しています。B検はその重要な土台を担い、学生の成長を図る指標として活用されています。特に学業とサロンワークを両立する新たなコースでは、現場に臨む学生たちを支えています。
  • 知識と技術に豊かな人間力が加わってこそ一人前
  • サロンワークを通してイメージギャップを埋める
知識と技術に豊かな人間力が加わってこそ一人前
 東京都荒川区にある国際理容美容専門学校は創立から64年の長い歴史を誇る学校です。全国初の2年制の理容科と美容科および3年制の高等課程(美容高等科)を設置したほか、エステティシャンの養成学科開設や国費留学生の受け入れ、海外研修旅行など、常に先鞭をつける形で理美容教育業界をリードしてきました。
 また同校は、創立以来掲げる教育方針の1つとして「躾(しつけ)教育」に力を入れていることでも知られています。「知識と技術に豊かな人間力が加わってこそ、一人前の理容師・美容師・エステティシャンになれるという観点から躾教育を謳っています」と語るのは同校の渡辺真由美教頭。そして躾教育を含めた職業人養成に役立つものとして以前からB検を導入しています。現在、専門課程では全学科、高等課程では希望者が受検しています。
 同校の教育の特色は授業に留まらず、日常生活全てにおいて、将来働くにあたっての意識づけを行っていることです。例えば、清掃は一日2回。教室をサロンに見立て開店準備を意識して朝も行います。教員の指導も、答えを示すのではなくどんな行動を取るべきか、「気づき」を促し、自分で考え、行動できる習慣をつけるよう声をかけます。またプレゼンテーション力や提案力が身につくよう機会をとらえて働きかけます。「私たちは、こうした全ての学びの“効果測定”としてB検を位置づけています。検定合格は日々の学びが身についているかどうかの確認の意味合いが強いですね」と渡辺先生。日々の成果が高い合格率に表れています。
サロンワークを通してイメージギャップを埋める

渡辺真由美教頭
 同校では平成30年度から美容科の中に新しく「産学連携実践型コース」を開設しています。コースの学生は、主旨に賛同したサロンを学校から紹介してもらい、放課後や休日にサロンで働けることが特色です。同コースを設立した背景には、学費の負担や業界のイメージギャップによる離職の問題があったと言います。奨学金を受けた学生は、卒業後、返済のために生活に余裕がなくなり、結果的に離職してしまうケースも少なくありません。このコースでは、学生はサロンワークで得られる収入を学費に充てられることから将来の経済的負担の軽減にもつながります。また、「美容業界は華やかなイメージがある上、お客様としてサロンに行くだけでは仕事の厳しさや人間関係といった現実は見えません。就職後、イメージギャップから離職に至るケースもあります。そこで学生のうちからスタッフ目線で現場を見ることによって職場への理解を深め、心構えを養うことができます」(渡辺先生)
 サロンワークは5月からスタートしますが、それまでに全学科の学生は、約30時間、職業人としての意識づけを行う授業やオリエンテーションで学びます。そこでは、グループワークや発表が多く取り入れられ、自分たちが目指す職業の理解や、仕事の基本となるB検の8つの意識に健康意識を加えた「9つの意識」を学び、卒業時のありたい姿を考えさせ、学生時代に何をすべきか、どのように行動すべきかをクレドにまとめます。B検を活用しつつ、経験豊富な教員が実際のサロンでのエピソードと結びつけ、職業に即した理解につなげています。
働く学生たちの存在が学内の良い刺激に

阿見芳明先生
 こうした成果もあって受け入れサロン側での産学連携コースの評判は上々です。「サロンの方からは『基本的なことが教えなくてもできているので助かります』と評価をいただいています。学生も『学校とサロンの学びが直結していて理解がより深まる』と言い、教育の質が上がっているようです」と語るのは美容科を受け持つ阿見芳明先生です。また美容科では現在、コースの学生とそれ以外の学生が同じクラスで学んでいますが、「(コースの学生は)周囲の状況を察知し気づく力が高く、自ら率先して行動しています。掃除ひとつにしても細かい所まで良く気づいて取り組んでいます。他の学生にも良い刺激となっています」(阿見先生)と教育効果も感じています。
 美容業界で働くイメージと現実とのギャップを解消し、美容師の定着に向けて新たな可能性を感じさせる産学連携実践型コース。その好調な滑り出しを同校の教育とB検の学びが支えています。
産学連携実践型コースの学生に聞きました
「8つの意識を心がけて行動する場面は、いつ、どのような時ですか」
「すべてにおいて必要だと思います」という回答が目立ったほか、時間意識と改善意識が多く挙げられました。
時間意識は、
・「お客様をお待たせしない」
・「お客様が来る時間までに道具の準備やワゴンなどを用意するよう心がけている」
・「時間配分を常に意識している」
など具体的な業務を挙げ、学びが行動にリンクしていました。
改善意識では、
・「アドバイスを受けたらすぐにメモを取り、見直すよう心がけている」
・「失敗を踏まえて次はどうするか考える」
・「自分ができなかったことは、先輩に聞いたり動きを見たりする」
など成長を意識する姿勢がうかがえました。
他にも、
・「カラー剤やシャンプー剤を無駄にしない(コスト意識)」、
・「毎日、出勤する前に今日の目標を立て、達成するよう努めている(目標意識)」、
と、学生の真剣な姿勢が伝わってきました。
「単に指示するのではなく、自分がどう行動すればよいのかの気付きを促すような指導をしています」と語った渡辺先生、その姿勢は学生にしっかり根づいているようです。
※8つの意識とは、B検で学ぶ仕事の基本となる心がまえです。“顧客意識”を中心に、時間意識・目標意識・品質意識・改善意識・協調意識・納期意識・コスト意識があり、1つの仕事をする上で、これらの意識をバランス良く持つ必要があります。
「これから身につけたい力はどのようなことですか」
最も多かったのは「お客様とのコミュニケーション力」です。
・「接客しても何も話せず席を離れてしまうことが多い」
・「自分から進んでお客様にいろいろな話題を提供できるようになりたい」
・「先輩がお客様の話をしていても顔と名前が一致しない」
など接客面の課題が大きいようです。
他には、
・「フロアの動きをしっかりと確認して、自分が今すべき行動を効率よく進める力」、
・「予約表やサロンボードを見てフロアの状況を想定したり、先を読んで行動する力」
・「一番は人間性。日頃から周りを見て行動している人には気配りと心配りがあり、自然と人が
  集まってくる。自分もそんな人になりたいと思うから」
等、ステップアップへの強い意思が見られる回答や、同校の人間力教育の成果が感じられる回答が見られました。
意欲的な回答が多く、学業とアルバイトを両立するモチベーションの高さが感じられました。
回答を見て気づいたのは学生の文章力の高さです。短いコメントも適確に論理的にまとめています。これについて美容科の阿見先生は「学生はサロン勤務日には必ず日報を記入し、仕事の振り返りを行っています。文章を書くことで自分を見つめ直すことができるからです。また日報はサロン側にも提出し、情報を共有しています」と語ってくれました。
学びと仕事を通してB検の「8つの意識」と「健康意識」を身につけ、即戦力に近い技量とともに、表現力や提案力、成長意欲を高めながら社会に羽ばたく準備を進める。産学連携実践型コースの学生たちのこれからの歩みが楽しみです。
(取材日:2018年11月)