ビジネス能力検定 B検 ジョブパス >> 導入事例 >> 【導入事例】東京外語専門学校
東京外語専門学校
 東京・西新宿の東京外語専門学校は留学生を対象にビジネス能力検定ジョブパス(以下、B検)3級を導入し、日本における留学生の就職に備えています。そこで、留学生に対してどのようなアプローチでB検を導入し、どのように活用して成果を上げているのでしょうか、武田哲一理事長、千葉明美先生に聞きました。
  • 日本の身近なビジネスマナーやスキルを身につける最適なツール
  • 留学生が日本を理解する上で大きな役割を果たしているB検
 政府の留学生受け入れ30万人計画は、当初の予定より1年早く昨年の11月に達成されました。卒業後、習得した日本語に加え、専門知識や技能を活かして日本で就職を希望する留学生も年々増加の傾向にあります。

武田哲一 理事長
東京外語専門学校は2020年に開校45年を迎えます。通訳翻訳科、国際日本学科、日本語科という国際的な学科を設置し、日本で学びたい、働きたい学生の要望に応え、大勢の卒業生を輩出しています。同校に入学する留学生は、約80%が日本企業への就職を希望しているそうです。
武田理事長は「日本語学科の留学生に対しN2レベルまで引き上げるのはどの日本語教育機関でも基本的にやっていることだと思います。しかし、それだけでは専門学校の卒業生は、希望の就職に結び付きません。日本におけるビジネスマナーやスキルを身につけておくことが大切なのです。ビジネスに特化した「ビジネス日本語」の勉強と並行して社会に出ていくための準備として、B検の3級が最も適しているのではないかと考えています」(武田理事長)
一方、指導教員の千葉先生は「B検はとても役に立つ検定で、テキストもポイントを押さえてあり、社会に出る前のビジネススキルやマナーの勉強に広く活用させていただいております」とB検を評価した上で、「B検は日本人が多く取り組む検定だと思いますが、当校では留学生にも導入しています。日本での就職が念頭にある以上、留学生にも日本の企業におけるルールや働き方を身につけてほしいからです」とB検の導入について話しています。
東京外国人雇用サービスセンターのアンケートによると、「留学生の就活における企業の考え方について」という項目では「日本企業における働き方について留学生の理解が不十分」「日本語を理解する能力が不足している」という回答が多かったそうです。
千葉先生は「まさしくこの指摘を解消するためには、B検3級テキストが最適であり、1年の前期と後期を活用して12月の試験を目標に留学生は勉強に励んでいます」といいます。
日本の身近なビジネスマナーやスキルを身につける最適なツール

千葉明美 先生
 留学生の就職に向けた取り組みについて千葉先生は「留学生の年齢も、母国におけるキャリアも異なるわけですから、まず留学生それぞれに自分のキャリアビジョンを考えてもらいます。その後、B検の授業で、個々のキャリア形成に向けて日本のビジネスマナーやビジネス習慣を学んでいくのです」といいます。すると、やはり留学生の母国と日本では商習慣が異なるために、さまざまな反応が表れるそうで、千葉先生は、日本の職場で大事なポイントを母国と比較させながら、留学生の意識を変えてもらうことに腐心しているようです。
 また知識としてだけでなく、ビジネスマナーなどは実際に留学生に身につけてもらわなければなりません。このため教職員が職場の上司になり、部屋(教室)に入る際のマナーや廊下ですれ違う時のあいさつ、エレベーターに乗る順序、会話する際の丁寧な日本語などについても、学校生活の中で職場と同じようにしているということでした。
「合格することも大事ですが、社会に出たら自信をもって活躍できるようになってほしい。そのために必要なことを身に付けられるよう指導しています」と話していました。
留学生が日本を理解する上で大きな役割を果たしているB検
 例えば、B検に報告・連絡・相談の項目があります。「ホウレンソウ」無しでは仕事が回らないと言っても過言ではない重要なビジネススキルであることは言うまでもありませんが、上司に対して「どこまで報告するのですか」「そこまで相談しなければならないのですか」という疑問を持ったり、「私の国では最後の結果だけを報告します」と「中間報告」を行うことに納得いかない留学生がいたそうです。
 他にも、留学生に日本のビジネスマナーやスキルを身につけてもらう上で難しい点は「敬語」(武田理事長)「ホスピタリティ」(千葉先生)だと指摘します。留学生の多くはアルバイトをしていて、上司や先輩、顧客とコミュニケーションの中である程度の信頼関係を築いていますが、習慣やものの考え方なども異なる留学生にとって、日本特有の商習慣への理解は簡単ではありません。B検をきっかけにして、さまざまなことを学んでいると言えるでしょう。
「専門学校は中核人材の養成に力を入れており、それは留学生も同じです。わが校の卒業生が将来、外国人労働者のリーダーとして、日本人と外国人との架け橋として活躍してほしいですね」と武田理事長は期待しています。
(取材日:2019年7月)