高校生版教育プログラム(ジュニアB検)学習指導要領
「ビジネスとキャリア」基礎
第1章 総則
第1款 教育課程や教科・科目等の一部への配置・編入について
- 各高等学校においては、法令や高等学校学習指導要領(以下「学習指導要領」と称する)に従うとともに、後述の「ビジネスとキャリア」基礎 の目的に則し、また学校の特色や生徒の実態、また生徒の心身の発達状況を考慮しながら、「ビジネスとキャリア」基礎 を適切に配置または教科・科目等の一部編入を行なうものとする。
- 学校においては、「ビジネスとキャリア」基礎 の配置または教科・科目等の一部編入によって、地域や学校、生徒の実態等に応じて学校が行なう就業に関わる体験的な学習の指導や、勤労の尊さを体得させるなど、望ましい勤労観、職業観の育成などに資するよう配慮するものとする。
第2款 高等学校の教育活動の中での取り扱いについて
- 「ビジネスとキャリア」基礎は、地域、学校及び生徒の実態、学科の特色等に応じ、学習指導要領に定める以下のような教科・科目等に関連付け、または教科・科目等の一部として読み替えや編入、あるいは学校や生徒の実態等に応じた1の教科・科目として、各学校で設定することができるものとする。
- (1)総合的な学習の時間
- 学校において、総合的な学習の時間の中で取り扱う場合は、学習指導要領に定められているとおり、以下のような「総合的な学習の時間のねらい」を考慮しながら「ビジネスとキャリア」基礎の効果的な導入をはかるものとする。
- 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる。
- 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにする。
- 総合的な学習の時間の中で、地域や学校の特色、生徒の特性等に応じて「ビジネスとキャリア」基礎 の内容を取り扱う場合にあっては、生徒が興味・関心、進路等に応じて設定した課題などについて、その関連する知識や技能の深化、総合化を図ることができる、または自己の在り方生き方や進路について考察することができるような学習活動となるよう、指導上の配慮を行なうものとする。
- 総合的な学習の時間は、横断的・総合的な創意工夫を生かした教育活動を行なうものであり、学校の教育課程の中で横断的で総合的な教育内容となり発展的な教育効果を得ることができるよう、この時間の中で取り上げる「ビジネスとキャリア」基礎 の学習内容を、学校で設置されている他の教科・科目の学習内容と可能な限り有機的に関連付けるものとする。
- 職業教育を主とする学科においては、「ビジネスとキャリア」基礎 の学習内容を取り入れた総合的な学習の時間における学習活動により、農業、工業、商業、水産、家庭若しくは情報の各教科に属する「課題研究」の履修と同様の成果が期待できる場合においては、総合的な学習の時間における学習活動をもって、農業、工業、商業、水産、家庭若しくは情報の各教科に属する「課題研究」の履修の一部または全部に替えることができる。
- (2)学校設定教科・科目
- 学校においては、学習指導要領に定められているように、地域・学校及び生徒の実態、学科の特色等に応じ、特色ある教育課程の編成を行なうため、また望ましい勤労観、職業観の育成を図るという目的に沿って設定される、学校設定教科・科目の中で取り扱うことができる。
- 学校設定教科・科目の1つとして「ビジネスとキャリア」基礎 を設定する場合、この科目の名称、目標、内容、単位数などについては、高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分に配慮し、以下に定める目標、内容、授業時間や単位数などを考慮しながら、各学校が定めることとする。
- (3)産業社会と人間
- 学校(殊に課程が総合学科の学校)においては、学習指導要領に定められているように、前項「学校設定教科」に関する科目として設けることができる「産業社会と人間」の実施にあたって、産業社会における自己の在り方生き方について考えさせ、社会に積極的に寄与し、生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度を養うとともに、生徒の主体的な各教科・科目の選択に資するよう、「ビジネスとキャリア」基礎 の学習内容の中から、特に以下の項目に関連する内容を中心に取り扱うことが望ましい。
- 職業の選択決定に際して求められる能力
- 将来の職業生活や社会生活に必要なコミュニケーション能力や発表能力
- 自己の在り方や生き方、またキャリアのデザイン
- 「産業社会と人間」では、後述の「ビジネスとキャリア」基礎 の目標・内容などと関連付けながら、目標や内容などの策定や取り扱いにあたっては、学習指導要領にも示されているとおり、以下の点について配慮するものとする。
- 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観、職業観の育成
- 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目の履修計画の作成
- (4)特別活動 ホームルーム活動
- 学習指導要領に定められているように、学校における生徒の基礎的な生活集団として編成したホームルームという単位で行なわれるホームルーム活動では、特に以下に示す教育活動の項目を「ビジネスとキャリア」基礎 の学習内容と関連させることが可能であり、また望ましい。
- 個人及び社会の一員としての在り方生き方、健康や安全に関することで、特に社会生活における役割の自覚と自己責任、コミュニケーション能力の育成と人間関係の確立
- 学業生活の充実、将来の生き方と進路の適切な選択決定に関することで、特に教科・科目の適切な選択、進路適性の理解と進路情報の活用、望ましい職業観・勤労観の確立、主体的な進路の選択決定と将来設計など
- 地域・生徒の実態や発達段階などに応じて目標が設定され、配置されている各学年のホームルーム活動は、「ビジネスとキャリア」基礎 の導入、取り入れに関して、そのそれぞれの学年の目標に沿って、適切に配置されるものとする。
- (5)「商業」
- 学校(殊に専門課程で商業科の課程をおく学校など)の専門課程の「商業」などにおいては、学習指導要領に定められているように、「商業」の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、ビジネスに対する望ましい心構えや理念を身に付けさせるとともに、ビジネスの諸活動を主体的、合理的に行い、経済社会の発展に寄与する能力と態度を育てる、という目標に沿って、「ビジネスとキャリア」基礎 の内容を取り扱うものとする。
- その取り扱いにあたっては、商業科の他の科目と同様、1の科目として扱ったり、既存の科目の授業内容の一部として取り扱うなど、地域・生徒の実態や発達段階などに応じて適切かつ効果的な取り扱いをするものとする。
- (6)その他の教育活動
- 「短期集中講座」
- 学校においては、学校が各学期末や長期休業において集中的に講義を行なうことにより高い学習効果(単位制の学校にあっては単位の認定)を期待して設置する「短期集中講座」では、その設置の目的に沿い、導入・実施をするものとする。
- 導入にあたっては、その実施時間数や取り扱う内容について、学校の実情や生徒の実態等に応じて各学校が定めるものとする。なお、その必須の内容や範囲等については、別途示すものとする。
- インターンシップなどの勤労・就業体験の「事前学習」
- 学校においては、学校が各学期末や長期休業において、企業等に赴いて就労体験を行なうことにより、勤労観や就労観の育成やキャリアデザインなどに高い学習成果を得ることを期待して設置する「インターンシップ」などでは、その実施の目的に沿い、その活動の導入や事前学習として、効果的に実施するものとする。
- 導入にあたっては、その実施時間数や取り扱う内容について、学校の実情や生徒の実態等に応じて各学校が定めるものとする。なお、その必須の内容や範囲等については、別途示すものとする。
第3款 「ビジネスとキャリア」基礎 の単位数・授業時数等
- 各学校は、教育課程の編成にあたって、「ビジネスとキャリア」基礎 の単位について、これを1の科目として設置する場合においては、標準単位数を1単位とすることを標準とする。また、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。1単位時間については、50分を標準とし、生徒の実態及び「ビジネスとキャリア」基礎 の特質を考慮して適切に定めるものとする。その他の課程など、これらに該当しない場合は、学習指導要領 第1章 総則に定めるところによるものとする。
- 各学校においては、教育課程の編成にあたって、生徒の実態等を考慮し、必要がある場合には前項標準単位数の標準の限度を超えて単位数を増加して配当するなど、適切に定めるものとする。
- 全日制の課程において、「ビジネスとキャリア」基礎 を以下の目標に沿って、1の科目として教育課程の中に設置、授業を実施するにあたっては、年間35週を行なうことを標準とし、必要がある場合には、特定の学期または期間に行なうことができるものとする。
第4款 「ビジネスとキャリア」基礎 の実施等にあたって配慮する事項
- 内容等の取り扱いについて
- 学校においては、第2章以下に記していない事項を学習内容として加えて指導することもできるものとする。ただしその場合は、第2章以下の目標や内容の趣旨を逸脱したり、生徒の負担過重になったりすることのないよう配慮するものとする。
- 第2章以下に示す内容に掲げる事項の順序は、特に示す場合を除いて指導の順序を示すものではないので、学校においては、その取り扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
- 学校においては、必要がある場合には、第2章に示す目標の趣旨などを損なわない範囲の中で、その内容に関する事項について、基礎的・基本的な事項に重点を置くなど、その内容を適切に精選・選択して指導することができる。
- 指導計画の作成にあたって配慮すべき事項
- 各学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として調和のとれた指導計画を作成するものとする。
- 各教科・科目等との関連を図り、発展的・系統的な指導を行なえるよう、計画を作成すること。
- 授業を実施する内容によっては、各教科・科目等との間で、相互補完的な指導ができるようにする。
- 職業教育に関して配慮すべき事項
- 普通科においては、必要に応じて、地域や学校の実態、生徒の特性、進路等を考慮し、「ビジネスとキャリア」基礎 の実施の中で、適切な職業に関する各教科・科目の履修の機会確保や選択などについて配慮するものとする。
- 学校においては、地域や学校の実態、生徒の特性、進路等を考慮し、就業体験の機会と関連付けさせて取り扱うことが望ましい。
- 職業を主とする学科においては、次の事項について配慮するものとする。
- 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる。
- 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにする。
- 職業に関する各教科・科目については、その目標や内容等に照らし、「ビジネスとキャリア」基礎 と関連する内容については、その一部を双方の授業内容に替えることができるものとする。
第2章 「ビジネスとキャリア」基礎
第1款 目標
- ビジネスや社会人といった視点を通して、キャリアプランや社会の一員としての在り方や生き方を描くための考え方や基礎的・基本的な知識を習得させるとともに、ビジネスのさまざまな理論を習得し、それらを高校生活に生かしていくことで、自発的、創造的な学習態度を育てる。
- 自らの将来設計や社会人に必要な能力や知識、態度を育成することで、自らの課題に気付き、自ら考え行動し、解決するなど、自立的な行動をとることができるよう、また自らの問題解決力を向上させる。
- 追記
導入にあたっては、必要に応じて、上項の2 または新たに3 を立て、以下のような目標の追加も検討する。
そして、ジュニアビジネス能力検定 高校生版の受験をめざし、ビジネスに関わる知識の習得及びその素養の向上を図る。
第2款 内容
- 豊かな社会と限りない可能性
- (1)チャンスをつかむ
- (2)変化する社会
- (3)社会生活を送るための基本姿勢
- (4)五感を働かせる
- (5)ポジティブなモノの考え―プラス思考
- 社会とコミュニケーション
- (1)コミュニケーションはキャッチボール
- (2)世代を超えたコミュニケーション
- (3)タテとヨコの人間関係
- (4)外国語でコミュニケーション
- (5)挨拶とマナー・ルールを守る
- 人生のキャリアを考える
- (1)キャリアを考える
- (2)職業の選択
- (3)社会人に求められるもの
- 学生と社会人――みんなで支える社会
- (1)社会のルールを守る
- (2)チームワーク
- (3)様々な社会体験
- (4)職場でのことばづかいと名刺の頂き方
- (5)目標を持つ
- (6)「PDCAサイクル」と「目標達成」
- (7)仕事のマネジメント
- (8)多様化する働き方
- (9)給与明細の仕組み
- (10)税金と社会保障の仕組み
- 健康管理
- (1)健康が全ての基本
- (2)睡眠と食のバランス
- (3)生活バランスを阻むもの
- 情報リテラシー
- (1)情報リテラシー
- (2)情報を集めよう!その1 新聞
- (3)情報を集めよう!その2 インターネット
- (4)情報を読む
- (5)表やグラフをつくる
- (6)プレゼンテーションの基本
第3款 内容の取り扱い
- 内容の構成およびその取り扱いにあたっては、次の事項に配慮するものとする。
- 学校の教科・科目等、またさまざまな教育活動の中でこれを取り扱うにあたっては、それぞれの活動の目的と「ビジネスとキャリア」基礎 の目標とを照らし合わせ、合致する項目を中心に効果的な取り扱い方とするよう配慮する。
- 「ビジネス教育一般」の導入、「キャリア教育」の一環、「情報」の活用、「コミュニケーション能力」の育成、などといった活動と関連付けられた内容を取り扱うこと。
- ビジネスにおけるさまざまな理論は、より実践的に習得することができるよう、重点指導項目を中心に、ワークシートによる作業学習やロールプレイングなどの体験的な学習を多く取り入れることとする。
- 内容の2については英語科の内容と、3については総合的な学習の時間やホームルーム活動の内容、総合学科などにあっては産業社会と人間の内容と、3については専門課程の商業の関連科目の内容と、5については保健体育の内容と、さらに6については情報Aの内容と、それぞれ関連する内容と関連付けを行なったり、当該科目の内容の一部を「ビジネスとキャリア」基礎 の内容の一部として読み替えて取り扱うことができるものとする。
- 内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
- 取り扱う内容の範囲については、各学校において導入した教科・科目等やその他の教育活動の内容と重複したり関連したりしている内容がある場合は、それを教科・科目等やその他の教育活動の内容で行なっているものとして、実施の範囲を縮減することができる。
- 内容の1については、世界のかなに見る日本、日本の現代社会の変化を総括的に扱うとともに、現代のビジネス社会に生きる若者として、必要な素養や青年期の今身につけておくべき考え方などを具体的な事例を通して理解させること。
- 内容の2については、ビジネス社会でのコミュニケーションの大切さや人間関係の形成過程などを実生活に則した事例で理解させるとともに、より理想的なコミュニケーションの図り方や、社会の一構成員としての心構えや社会規範、マナーの遵守に向けた動機付けを図ることができるようにすること。なお、内容の2の(4)については、その実施の際に外国語科の学習内容との関連についても考慮するものとする。
- 内容の3については、生徒の興味・関心、進路希望等に応じてキャリアデザインを考えさせるにあたって、現代社会で求められている社会人像を理解させ関連付けながら適切に行なうこと。なお、内容の3の(2)では、職業の分類、それぞれの業務内容、またそれぞれに必要な知識・技能などを具体的に例示し、職業全般についての理解を深化させるとともに、希望する職種について主体的に研究する望ましい能力や態度を育成できるようにすること。
- 内容の4の(1)から(2)までおよび5については、高校生と社会人双方の生活を具体的な事例を通して比較し、その相違を理解させながら、ルールやチームワークといった基礎的・基本的な社会の要件についての役割を理解させること。また内容の4の(3)については、実習的な内容を通して、ビジネスの場でのマナー、コミュニケーションの図り方についてその知識や技能が習得できるようにすること。さらに、内容の4の(6)および(7)については、ビジネスの科学的な観点での分析や、業務のセルフマネジメントについての理解を具体的な例を示しながら理解させるようにするとともに、内容の4の(8)から(10)までについては、ビジネス社会の雇用体系の変化や給与、また社会を支える仕組みなどについて、その知識を実際の社会生活に生かし、それらを基盤として安定した生活を営むことができるようその理解の深化を図ること。なお、内容の4の(8)から(10)については、その実施の際に公民科の学習内容との関連についても考慮するものとする。
- 内容の5については、現代の青年期やビジネス社会に生きる若者として、現代社会が抱える諸問題や課題に触れながら、心身の健康管理の重要性と理想的な形態について考えさせるとともに、ヘルスマネジメントを行なうことができるよう、その動機付けを図ること。なお、内容の5については、その実施の際に保健体育科や公民科などの学習内容との関連についても考慮するものとする。
- 内容の6については、情報化の進む現代社会で、情報セキュリティや個人情報などの管理の必要性を理解するとともに、情報機器を中心とした情報媒体による情報の収集について、その知識や方法などを具体物や実演などを交えながら取り扱うものとする。また内容の6の(4)から(6)については、収集したデータの読み込みや表やグラフの作成などについて事例を示しながら指導するとともに、学校の実情や生徒の実態・進路希望などにあわせて実際に各自に研究発表テーマを設定させ、プレゼンテーション実習を行なうことが望ましい。
平成18年10月10日








