受験者の声
社会人としての基本的な資質を養う

多様化する価値観の中で、生徒一人ひとりの潜在能力を引き出しながら、進学にも就職にも対応できる高校教育を目指して― 熊見一郎校長は開口一番、神戸星城高校の教育理念についてこう語っています。 阪神・淡路大震災で長田区腕塚町の校舎が被災、平成9年に関西空港が望める須磨区緑が丘の高台に校舎を完成させ、神戸女子商業高校から神戸星城高校に校名を変更しました。
従来は「就職に有利」が同校を特色づける言葉となっていましたが、平成11年の創立70周年を機に男子にも門戸を開放して男女共学の特進コースを設置し「自彊(じきょう)」と「良(ら)志(し)久(く)」の校訓のもと、大学進学のできる新たな学校作りに取り組んでいます。
同校には「商学コース」と「特進コース」が設置され、さらに商業コースには2年次より生徒の興味や関心、適性、進路に応じて「情報」「OA」「会計」「流通」といった4類型が設けられキメ細かなカリキュラムが用意されています。一方、特進コースは多彩な推薦入学、AO入試など多様化した最近の大学入試に照準を合わせたもので、商業系の高校ならではのメリットを最大に生かしたものです。
進学にも就職にも強い高校が同校の“売り”でもあるわけですから、長引くこの経済不況の中で、まず辻清隆進路指導部長を先頭に、就職実績のある企業訪問はもちろんのこと、新規採用企業の掘り起こしに7人のスタッフを配置して万全を期しています。
「生徒の進路に対応するかたわら、年間100社以上の企業を訪問しています。飛び込みも入れるとかなりの数になるでしょう。話を聞いてくれる会社はまだいいほうで、インターホンで門前払いされるところもあります」と辻先生は苦笑します。 辻先生が就職を希望する生徒のニーズに応えたいと企業訪問に汗を流しながら、強く感じたことがあります。 「本校は商業系の女子高校でスタートしていますから、当然の簿記会計やコンピュータに強い高校です。コンピュータでは“全国に神戸星城あり”とまでいわれるほど全国大会で連続優勝も果たしています。しかし、企業が求めている人材は技能ばかりではありません。学校と企業の間に大きなギャップのあることを痛切に感じました」と辻先生はいいます。
バブル経済が崩壊して、企業の雇用そのものの在り方が大きく変わりました。日本型の定期採用は見直され、通年採用や人材派遣の活用、またアウトソーシングやパートの占める役割も大きくなりました。こうした変化の中で辻先生は「高校生に対する企業のニーズが減ったのではなく、企業は生徒の基本的な資質を問題にしている」と強く感じたそうです。
就職する生徒に接遇マナーやことばづかいを身につけさせるため、同校ではこれまで秘書実務を選択科目の一つとして導入してきました。しかし、会社を回って改めて感じたことは秘書という狭い範囲の知識ではなく、ビジネス実務、つまり会社とは何か、上司と部下の関係、仕事への心構え、そして社会人として身に付けていなければならない常識などという基本的な問題だったのです。「何か手本となる教材はないかと考えていました。学校に送られてきたB検の資料を見て、早速書店で調べ、これだと思いましたね」(辻先生)「秘書実務」という選択科目を今年から「ビジネス実務」に切り替えてB検を導入。辻先生もビジネス実務の授業は背広姿で登場、アタッシュケースには企業のカタログを入れてビジネスマンに変身するそうです。
「起立、礼も会社を意識していつもの授業とは違うタイミングを見計らって行います。私の授業は教室でもオフィスの雰囲気を醸し出すように努力しています」ということで、生徒をあきさせないようにB検の事例をはじめ、会社回りで得た貴重な情報を教材として生徒に投げかけ、グループ討議も行うということです。
最近の若者には職業観や勤労観が不足していると指摘されていますが、商業高校の特性を生かして簿記会計やコンピュータの技能で実践力を養い、さらに社会人としての基本的な常識、ビジネス社会における問題解決能力、そして人間関係で大切なコミュニケーション能力を同校ではB検を教材として生徒に身につけさせようとしているのです。 「B検は導入したばかりで、一般の先生たちにはまだ慣れない点があるのかもしれませんが、B検の受験生が増えることできっと認識も深まってくることでしょう」と話しながら、最後に「B検を推薦入試の条件に入れてくれる大学が増えてくれるといいですね」と辻先生はB検の今後に期待を寄せてくれました。
平成14年8月








