インターネットは、知りたい情報を瞬時に得られる便利なツールです。一方で、正確な情報と誤った情報が混在しており、その真偽を見極める力がこれまで以上に求められています。ビジネスの現場では、誤った情報をもとに判断することで、業務上のミスや信用の失墜につながることもあります。今回は、ビジネス能力検定3級の出題結果から、受験者が陥りやすい情報収集の落とし穴を確認し考えてみます。

私たちの情報収集の中心が紙媒体からインターネットにシフトするようになり、ふだん利用しているサイトの情報については、その真偽を疑うこともなくなっているのが実情と言えます。
今回は令和5年度前期の3級問題を見てみましょう。
【選択肢】
| a | b | c | |
|---|---|---|---|
| ア | 正 | 正 | 誤 |
| イ | 誤 | 正 | 誤 |
| ウ | 正 | 誤 | 正 |
正解:イ (3級テキストP.130)
解答率は ア.31.5% イ.67.7% ウ.0.9%という結果でした。
着目すべきは、選択肢bを正しいと判断していながら、選択肢aも正しいと判断している受験者が30%を上回っていることです。
aを正しいと判断した根拠を推測するなら、友人や知人、あるいは”推し”の芸能人または著名人のSNSなど、日常的にアクセスしているサイトからの情報が頭に浮かび、これまで数々の恩恵を受けてきた事実があったからなのかもしれません。
しかしながら、「なりすまし」が横行しているのもまた事実で、最近も有名な人気ジャーナリスト(I氏)になりすました投資詐欺の報道がありました。アカウントを乗っ取って不正な情報を流したり、本人の顔写真を勝手に使用して本人からの情報のように装って信用させたりする手口です。
他にも、世界中のボランティアの共同作業によって執筆及び作成される無料の多言語インターネット百科事典や、グルメサイトのレビューもリスクがあります。前者は誰でも記事内容を改変できるため、いたずらや悪意を意図して書き換えることもできますし、後者は店の関係者が自作自演で商品をPRすることもできてしまいます。
もちろん、正確で役に立つ情報や、信用に値する有益な情報も多いのが現実と思われますが、見分けるのもまた難しいのが現状です。まさに玉石混交という前提で受け止めなければなりません。さらには、ホームページなども常に最新の情報に更新されているとは限らず、情報発信された日付や最終更新日の表示にも注意する必要があります。
では、このテーマでの学校の授業や職場内研修における指導上の留意点はというと、情報発信元が信用に値する組織かどうかを確認することと、一件の事案について情報収集する際には複数のメディアおよびサイトを確認するよう意識づけすることをおすすめします。
小論文や計画書を作成する場合も、公的機関が発表している客観的データ(ex.〇〇白書)などを引用し、信用を裏付ける習慣が大切です。