メールやチャットが普及した現在でも、電話は迅速で確実な意思疎通に欠かせない手段です。一方で、携帯電話の普及により、電話応対には新たな配慮や判断も求められるようになりました。過去問題から、その実践ポイントを確認しましょう。
ビジネス文書をはじめ、写真、Webサイトのデータ送受信も可能なEメールが、ビジネス上のコミュニケーション・ツールとして不可欠なものとなりました。電話でのアポイントメントや連絡、書類の郵送が主だった時代に比べ、かかる時間や費用も大幅に削減されましたが、電話の役割がなくなったわけではありません。

外回りの多い営業職の人たちをはじめ、宅配サービスのドライバーなど移動中でも活用できる携帯電話は必須のツールとなり、業務用携帯電話の支給率も年々増加しています。
オフィス電話に加えて携帯電話(スマートフォン)も併用する時代になりましたが、利便性が高まったと同時に、留意し守らなければならないことは増えたと言えます。
今回は令和5年度前期、および令和6年度後期の3級問題を見てみましょう。
問題4 (4)電話の取り次ぎに関する記述として、適切なものを選択肢から選べ。
【選択肢】
正解:ウ(解答率 ア:1.9% イ:3.7% ウ:94.4%)
問題4 (1)電話の受け方に関する記述として、もっとも適切なものを選択肢から選べ。
【選択肢】
正解:ア(解答率 ア:78.9% イ:19.4% ウ:1.7%)
上記の問題での正答率は概ね高い数値です。オフィス電話の受け方や取り次ぎ方については、3級テキスト(2-3 電話応対)でも応対の基本が詳しく書かれていますので、確認いただきたいと思います。
名指し人が不在または離席中という場合、相手にかけ直してもらうか、こちらからかけるかの判断と言えます。緊急度が高いかどうか、相手がどんな状況下で電話してきているか、さらには相手(お客さま)と名指し人との関係性がわからない場合など、マニュアル化すること自体も容易ではありません。
その要因の一つが、携帯電話のビジネス活用にあります。移動中に携帯電話でかけてきている場合は、こちらからかけ直すにしても、相手が車の運転中や、電車、バスなどの車中にいる状況では通話ができないこともあります。そのような状況では、かけてきた相手が再度かける時間帯を知らせてきたり、伝言を依頼してきたり、というケースがほとんどです。そのあたりの状況が不明な場合、まずは急ぎの用件かどうか、相手の携帯電話にかけ直しても大丈夫な状況かどうかの確認が大切になります。
相手から、急ぎの用件なので名指し人の携帯電話番号を教えてほしいという依頼を受けた場合でも、本人の承諾なしには教えないのが原則です。その場合、「恐れ入りますが、〇〇(名指し人)には私から連絡を入れて確認し、至急□□様にお電話をするように申し伝え ます」と返答したうえで、相手の電話番号と急ぎの用件の確認を行うようにします。ただし、名指し人とすぐに連絡がつかない場合もありますので、「もし、〇〇に連絡がとれないときは、その旨を改めてご連絡いたします」と一言添えておく気づかいも忘れないことです。
最近は携帯電話番号を記載している名刺も多くなりました。業務用の携帯電話番号かどうかまではわかりませんので、名刺交換の際に気づいた場合は、オフィス電話との使い分け(原則どちらにかける方がいいか、かけていい時間帯など)を確認するといいでしょう。
また、Eメールや携帯電話のSNSを併用して、効率的なコミュニケーションに努める工夫が、現在では一般的になってきましたが、遅刻連絡や急な予定変更連絡などをEメールやSMSだけで済ませるのは不適切です。緊急度が高く、確実に伝えたい場合は、相手と直接話ができる電話の活用が欠かせないのは間違いありません。
電話は、お互いに相手がどんな状況なのかが見えないため、固定電話、携帯電話ともに、まずは「いま、お電話でお話しても大丈夫でしょうか?」「少しお時間いただいてもよろしいでしょうか?」など、かけた方は特に相手への気配りが必要です。携帯電話の場合、不明な番号が表示された場合は電話に出ないこともありますから、事前にEメールなどで確認することが大事ですね。