適切な報告は、仕事の進捗共有や問題の早期発見につながります。本コラムでは、報告の基本と中間報告のタイミングを取り上げ、社会人に求められるコミュニケーション力について考えます。
ビジネスにおける「報告」は、職場内では上司、部署内、他部署に対するもの、職場外では顧客、取引先など多岐にわたる重要な業務の一つと言えます。「報・連・相」というくくり方で説明されているケースは多いですが、職場内での「報告」は業務上の「指示」に対して行うものとして基本理解をする必要があります。

報告の仕方には、口頭や文書(電子メールやチャット等を含む)によるものがありますが、ツールが異なっても報告の基本原則は変わりませんので、応用の仕方を工夫することが大切です。
今回は、令和5年度後期 3級 問題2(3)を見ていきましょう。
【選択肢】
正解:イ (正答率82.0%)
上記問題の選択肢 イ は電子メールを活用した例ですが、口頭で報告する場合も、細かな資料データに基づいた報告をするときなど、あらかじめファイルを添付して送っておくと効率的です。
選択肢 ア のように複数の事項を報告する場合の順序は、重要度に加えて緊急度の高さも考慮し、高いものから報告するのが原則です。これはお客さまとのトラブルやクレームなどの悪い報告ほど早く行うべきという理屈にもかなっています。
選択肢 ウ のように長期間にわたる業務を指示されている場合、進捗状況や問題点などを適宜報告する「中間報告」は、指示者にとっても重要なことと言えます。
報告と連絡のポイントは、3級テキスト(P.50)にまとめられていますが、報告するタイミングを見極めることも円滑な業務遂行には欠かせません。
報告するタイミングのポイントとしては、
・指示された仕事が完了したとき
・状況変化があり、計画の変更が必要になったとき
・ミスや不手際があり、関連業務に影響が予測されるとき
・問題点(改善点)を発見し、解決策を講じたいとき
・長期にわたる業務の節目での中間報告をするとき
という5つのケースが想定できます。
このうち、最後の「中間報告」をするタイミングについては、
・指示された仕事の完了見込みがいつになるか目途が立ったとき
・状況変化による、日程変更や軌道修正が必要になったとき
という2つのケースに大別できますが、中間報告は指示者を安心させられると同時に、変更や修正について適切なアドバイスを受けることも可能になります。迷ったときの相談につなげるための報告という意味合いもあることを理解させたいところです。
口頭で報告する場合には、「結論から先に話す」「客観的事実と自分の意見は分けて報告する」など、3級テキスト(P.51)にまとめられていますが、特に多忙な上司(指示者)に対面で報告する場合は、短時間に効率よく内容を伝えることが大切です。必要に応じて事前に電子メールで資料を送付することに加え、口頭報告用の「メモ」を作成して渡すと、概要を整理した状態で報告ができます。
報告時に話すことをレジュメ風に箇条書きにし、追加メモを書き加えられるスペースを作っておくと、指示者と報告者の双方が有効に活用できて、備忘録としても役立ちます。
また、報告内容に伴う変更や修正が必要になり上司の決裁を求める場合には、日ごろの上司の視点を踏まえた案と報告者の視点に基づいた案の両方を提示することで、その場での判断がしやすくなると言えます。
学校においても、学園祭は学生が主体となって準備を進めますが、予算の執行を伴う計画に変更が発生する場合もあります。教職員が学生から報告や相談を受けて指示を出す場面を想定すると、上記のことを踏まえた実践的な演習の機会にもなりそうですね。
次回は、「連絡・相談」する際の基本とタイミングについて学習しましょう。
①取引先のクレーム、コンプライアンスに関わる報告
②担当する定型業務の集計結果報告
③半年後にスタート予定の新企画案の報告
④他部署から、資料発送の人的応援依頼の調整報告
