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四国医療専門学校
多職種連携のチーム医療には「企業人」のマインドセットが必要
学生の社会性を養い、協働する態度をB検で培う
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四国医療専門学校は鍼灸学科を出発点に67年の歴史を誇り、現在、医療系6学科を開設しています。そのうち作業療法学科、理学療法学科、看護学科は4年制課程の充実した専門教育を提供。さらに社会性を養う観点から、作業療法学科では課外科目にB検を導入しています。未来の医療従事者に求められるB検の学びとは何か、作業療法学科の松本嘉次郎学科長と磯谷晃一先生に話を聞きました。
学生の「社会性向上」を期してキャリア教育にB検を導入

四国医療専門学校
松本先生
 社会の高齢化に伴いますますニーズが高まっている作業療法士。国家資格の取得者数は約10万人で、毎年5千人前後のペースで増加していますが、同じリハビリテーション職の理学療法士(約20万人)と比べるとまだまだ少なく、充足しているとは言えません。また食事や買い物といった日常生活における応用動作の向上を支援する作業療法士は活躍の場が広く、職場も高齢者施設から総合病院、精神科病院と多岐にわたります。「最近では発達支援のお子さんのリハビリ需要も高まっており、患者さんだけでなく保護者の方と接する機会も増えています」と付け加える松本学科長は、「まさにその点がB検を導入した理由のひとつです」と続けます。「人を相手にするリハビリ職の中でも、とりわけ作業療法士には多様な世代と交流するコミュニケーション能力が求められるからです」。
 もうひとつは、年々、「学生の社会性の乏しさ」が顕著に見られるようになったこと。同校の作業療法学科の入学生は9割方が高校新卒です。「『人の役に立ちたい』という、やさしい性格の子が周囲に勧められて作業療法士をめざすケースが大半で、職業理解が十分とは言えません。おとなしくて自己表現が苦手なタイプも多いです」と松本学科長。特に実習では現場指導者に遠慮して相談や報告ができない、患者さんに何を聞けばいいか戸惑う、など「報連相の抜け」が目立つようになりました。
 一方、同科では育成する人物像を踏まえ、授業科目以外にゼミナールを実施しています。1年次は入学時教育、2年次はキャリア教育、3・4年次は福祉住環境コーディネーターや初級障がい者スポーツ指導員の資格講座が主なテーマで、作業療法士に必要なマインドセットや関連知識を段階的に身に付けていきます。B検は社会性を養うことを目的に、本格的に実習がスタートする3年次に備え、2年次のキャリア教育に導入されています。
3級テキストを活用し実習に役立つビジネスマナーを習得

四国医療専門学校
磯谷先生
 キャリア教育のゼミはホームルームの時間に行われ、そのうち2年生の前期に8コマほど使ってB検3級テキストの内容を学習します。他に2コマをCBT方式の受験に充てています。
 3級を用いるのは、「キャリアとは何か、という理解から始まり、『指示の受け方と報告、連絡・相談』、『話し方と聞き方のポイント』といった、実習でも役に立つビジネスの基本マナーが学べるからです」と語るのは、現在2年生のクラス担任を務める磯谷先生です。第1編の「ビジネスとコミュニケーションの基本」を中心に、基本的にテキストに沿って講義を進めていきますが、お辞儀の仕方や名刺交換のマナーなどは、グループ単位のロールプレイングなども随時とり入れて実践力を鍛えています。学生が名刺を渡すことはありませんが、実習先を初めて訪問したとき名刺を受け取るケースを想定しています。「そのほか実習に紐付けているのはお礼状の書き方です。実習後にお礼状を出すようにしているので、『ビジネス文書の基本』を参考に、例題を配布してイメージを喚起させています」(磯谷先生)。
 また、本格的な実習は3年次からですが、2年次も見学実習等を実施するため、後でかならず振り返りを行い、B検の講義に反映しています。「実習先からのフィードバックを分析すると、あいさつや見学のマナーなどにおいて、学生が『こうすればいい』と思う常識と、一般常識がずれている場合が多いようです。そこをどう認識させるか、一人ひとり『自分には何が足りないか』という気付きを促すことが大切です」。学生個々に働きかけるのは難しいように思えますが、同科ではクラス担任が基本的に持ち上がるのが強みです。磯谷先生も現在の2年生が入学した時点から成長を見守っています。また1年次前半の入学時教育ではグループディスカッションを通して、「相手の発言を否定しない」「1つのテーマ発表を成し遂げるため全員が協力する」といった態度を養います。「それもB検の学びを素直に吸収するとともに、全員で3級合格をめざして頑張る意識につながっています」と磯谷先生。例年、7月の受験では高い合格率を維持しています。
「チーム医療」が主流の時代 医療人に求められるビジネス感覚
 B検を導入して10年近く。「当初は実習先から『気が利く学生さんが多いですね』『入院患者さんのご家族の評判も上々です』といったお褒めの言葉をいただくことも多かったと記憶しています。ただ最近では特に評価の声がなく、むしろ本校の学生はそれが当たり前、と認識されてきたと感じています」と磯谷先生。この言葉は現代の医療従事者に求められる資質を考えるうえで示唆に富むものです。「なぜなら多職種が連携するチーム医療が主力になっているからです」と松本学科長は指摘します。
 「病院はもとより、高齢者施設にせよ放課後等デイケアといった発達障害児の支援にせよ、地域と包括的に連携したチーム医療が不可欠の時代です。医療・福祉系と言っても専門性はそれぞれ異なるため、相手の立場や意見を認めたうえで自分の意見を上手に主張する社会性、いわば企業人としての振る舞いがますます求められるようになっています。さらにチーム医療の真ん中にいるのは患者様です。患者様第一という『顧客意識』が重視されるなか、『仕事に大切な8つの意識』といったさまざまなB検の学びは、医療の世界でもこれからさらに役立つと確信しています」と松本学科長。「愛情をもって人の役に立てる医療人」を育成するためのツールとしてB検を評価しています。
(取材日:2023年12月7日)
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