ビジネス能力検定 B検 ジョブパス >> 導入事例 >> 【導入事例】千葉県立銚子商業高等学校
千葉県立銚子商業高等学校
 B検で培った社会人基礎力をベースに地域を元気にする高校生たち
ビジネス系の授業で学び産学官連携プロジェクトで定着
銚子商業高校は1900年(明治33年)に創立された、千葉県で最も歴史の古い商業高校です。平成20年に県立水産高校と統合し、現在は商業科、情報処理科、海洋科が設置されています(2年次から)。近年、銚子商業の名を一躍高めたのが、同校の生徒たちが企業や自治体と連携して取り組む、さまざまな地域活性化のための活動です。若い感性を生かし、多くの社会人と関わりながら成長する生徒たちを、B検の学びが支えています。
  • 産学官連携のプロジェクトで商品開発、販売などの仕事を知る
  • 3年生の授業でB検を活用 実践を通して学びが定着化
地域の高校が町おこしに貢献!全国に名が響く銚子商業の活動
 銚子商業の名は、何度も甲子園を沸かせた高校野球の強豪として全国に知られています。創立から118年、昔から地域の人々に親しまれる名門校ですが、近年では同校の生徒たちのもう1つの取り組みが、全国的にも脚光を浴びています。
 きっかけは地元を走るローカル線・銚子電鉄の立て直しに協力したこと。脱線事故によって故障した車両の修理代が捻出できず、廃線の危機に陥った銚子電鉄に対し、生徒たちはクラウドファンディング(インターネットによる資金募集)を使って寄付を呼びかけ支援金を集めました。これにより車両を修理することができ、現在、銚子電鉄は無事に運行しています。再生した車両には支援者の好意により「ありがとう銚子商業生」と書かれたヘッドマークが装着されました。
 さらに生徒たちは犬吠駅、仲ノ町駅と老朽化した駅舎の修繕にも着手。支援金を募るだけでなく、ペンキ塗りや壁面ペイントなどの作業も行って、古びた駅舎を生まれ変わらせました。他にも休日の車内販売、イベント列車の企画・運行、ご当地ヒーローに扮し乗車客と交流するなど、生徒たちの取り組みはそのつど話題を呼び、マスコミでも何度も紹介されました。今では地域の高校生が町の活性化や観光振興に貢献した成功例として広く知られています。
産学官連携のプロジェクトで商品開発、販売などの仕事を知る

商業科主任の
石毛宏幸教諭
 こうした生徒たちの活動は、同校の商業科・情報処理科3年生の授業「課題研究」の中から生まれました。課題研究では平成26年から地域活性化をテーマに、産学官連携によるプロジェクトをスタートさせました。生徒たちが出したアイデアをもとに班分けして実践するもので、活動内容は銚子電鉄の支援のほか、新商品開発、実店舗の運営と大きく3つの柱があります。
 新商品開発は企業に対し、生徒たちが商品案の提示から試作品の依頼、試食会の開催、商品改良と密に関わりながら進めるもので、これまで「銚子キャベツメロンパン」や「銚子電鉄ぬれ煎餅アイス」をはじめ多くのコラボ商品が生まれ、人気を博しています。また地元に工場のある全国企業と開発したパンは、関東圏のコンビニやスーパーでも販売されました。
 実店舗の出店では、銚子の観光名所・水産物卸センター内に生徒が運営する「銚商夢市場」という店舗を5年前にオープン。授業や行事のない休日に開店し、生徒が開発した商品のほか、銚子市の名産品を観光客に販売しました。生徒たちは店舗運営を通して接客や会計処理など、授業で学んだことを実践しました。
 これらの活動は「銚子夢市場プロジェクト」の名称で今も継続していますが、すでにその教育活動が高い評価を受け、平成27年度には「千葉県魅力ある県立学校づくり大賞」の教育長賞を、平成28年度には千葉日報社の「千葉教育大賞」を受賞しています。
3年生の授業でB検を活用 実践を通して学びが定着化

真弓旭教諭
 現在、プロジェクトは5年目に入り、さらに画期的な新商品の開発、史跡巡りマップ作成の観光支援活動、そして引き続き銚子電鉄の車内販売や駅の改修を進めるなど、活動内容はますます充実しています。プロジェクトメンバーは選考による定員制ですが希望者は年を追うごとに増え、新入生のなかにはこの活動をしたくて同校を志望する生徒も多数います。地域貢献に加え生徒募集にも、また進学にあたっても高校の活動実績が評価されるなど大いに寄与しています。
 そして産学官が連携するこのプロジェクトを行う上で欠かせないのが、「総合実践」という授業です。これはビジネスに関連する内容を3年間の総まとめとして総合的に学習する科目で、情報処理科と商業科の3年生で実施しています。授業はB検のテキストをもとに講義形式で進めています。「B検はもともと進路決定にあたり有効な資格になると期待して導入しました。本校は進学希望者と就職希望者の割合がほぼ半数です。ビジネスマナーや知識が求められる就職希望者はもちろん、進学希望者にとっても役立つ資格を探していました」と語るのは総合実践の授業を担当する真弓旭先生です。真弓先生によると、商業高校の生徒が通常取得する簿記などの資格に加え、「一般の職業人が多く受験する、いわば高校生が取るには格上の資格」としてB検を選んだということでした。生徒たちには授業終了後、B検3級の受験が必須化されており、毎年150名ほどの生徒が受験して約9割が合格しています。
 さらにB検は、在学中にも先述のプロジェクトを中心に生徒たちに大きな効果をもたらしています。「最も大きいのは、生徒が社会人として基本的なことを理解し、身につけることができたことです。特に多くの大人たちと関わり、地域活性化の提案や商品開発、販売活動を行うプロジェクトでは、社会人としての礼儀や立ち居振る舞いが求められます。B検でそれを学び、すぐに実践できる環境があることも大きく、B検の学びがしっかり定着しています」と「課題研究」の責任者、石毛宏幸先生も評価します。
 「地域活動を通してB検の効果を実感したのか、生徒たちから『もっと上の級を受験したい』という声も出ています。これからどんな風に上位級を学ばせるかが課題ですが、いずれにせよ本校の地域活性化の取り組みが、スタート時から想像もできないほど地域に受け入れられ、大きく広がったのは、B検の学びが土台にあるからと実感しています」(真弓先生)。
(取材日:2018年10月)
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