ビジネス能力検定 B検 ジョブパス >> 導入事例 >> 【導入事例】修成建設専門学校
修成建設専門学校
「専門教育」と「人材育成」の両輪から建設技術者を養成B検の学びが人材教育を一手にになう
学校のウェブサイトはコチラ >
明治時代に開校した修成建設専門学校は113年の歴史を持つ伝統校。建設業の人材育成に特化し、建造物の企画・設計段階から現場施工まで、多岐にわたる専門人材を輩出しています。 B検は制度開始から利用されていますが、その学びは建設人材の育成にどう活かされているのでしょうか。堤下隆司校長とB検の授業を担当するトータルマナーの田野直美先生に話を聞きました。
プレイヤーからマネージャーに 建設業の「エンジニア」を育成
堤下校長
堤下校長
 修成建設専門学校の入学者は例年、高校新卒が8割近くを占めています。建設業の仕事で高校生がまず憧れるのは、設計関係を別にすると大工や左官、庭師といった現場の職人ですが、「職人は個の技量で勝負する技能者で、いわば現場のプレイヤーです。彼らをまとめ、その技術をつないで構造物を完成まで導くのが、現場監督と呼ばれる施工管理技術者。また企画やデザインに関わる設計士なども、いずれはチームを率いる立場になります。本校では学生の将来のキャリア形成を見据え、プレイヤーに留まらず全体のマネジメントができるエンジニアを育成しています」と堤下校長は明言します。そして全教職員が「建設業のエンジニアを育成する」という認識を共有し、学校運営にあたっています。
 建設業の資格は多岐にわたりますが、「技能者」ではなく「エンジニア」に求められるのが国家資格の建築士や施工管理技士。主任技術者に望ましいとされるほか、大規模な工事に配置される監理技術者には1級取得者でないとなれません。同校は1級・2級建築士の専科を設けるほど資格取得に注力し、ほとんどの学科で受験資格を得るカリキュラムを開設しています。必要な指定科目の単位数はいずれもかなり多く、2年間で学ぶ専門科目の授業時数は、4年制大学の建設系学科とほぼ同じです。
 一方で、「人をまとめる」技術者の輩出のためには、人材教育もおろそかにはできません。専門科目の授業がぎっしりと入り、他の科目の設置が難しい中、B検3級の内容、ボリュームが人材教育に適していると考えました。3級のテキストを教科書に、職業人の素養を身につける科目として「建設ビジネス学」を開講し、専科を除く昼間部の全科に導入しています。
ロープレやワークを活用 時事用語のミニテストも
 「建設ビジネス学」は当初から新人研修等を行う会社に講師を委託。「1年次の前期という半年間の開講だけに、短期間で即戦力の社会人にいかに近づくか。この点に特化した授業を意識しています」と語るのは、株式会社トータルマナーの田野代表取締役です。現在は同社の講師が授業を担当していますが、自身も導入初期から関わり、長年、教壇に立ち続けました。ビジネス教育のプロとして授業の最初と最後のあいさつ、椅子に座る姿勢、立ち上がって質問に応えるときの振る舞い方、といった作法を習慣化させることによって定着を図ってきました。
トータルマナーの田野代表
トータルマナーの
田野代表
 授業の進め方は学生たちが飽きないよう、講義に加えてグループワークやロープレを活用。隣同士がペアになって名刺交換を行ったり、「報告・連絡・相談」のやり方もロープレで実践したりしています。「できるだけ実社会を想定した具体的な内容にするのが学生に興味を持たせるポイントです。講義もテキストに即して私自身の失敗談など実例をたくさん話すようにしています。B検の要(かなめ)で仕事の基本となる『8つの意識』も、実例を通して教えます」と田野先生。そのうえで知識が身に付いたか1単元ごとにミニテストを行って確認、復習しています。また試験にかなり出題される時事用語についても、単元テストとは別にテキストの「ビジネス用語の基本」から数ページ単位の出題範囲でミニテストを作成し、毎回実施しています。
 「B検は社会人の基本となる汎用的な学びなので授業内容を大きく変えることはありませんが、毎年、学生の資質を踏まえてスピードや説明を若干修正しています。最近は新社会人に求められることも増え、時間が足りないのが課題です」と田野先生。とはいえ同校の学生の評価は変わらず高く、昨年度の卒業年次生一人当たりの求人件数は、約39.5社でした。また「本校の学生ならぜひ採りたい、という声もよく聞きありがたい限りです。いくら技術や資格を持っていても入社後は人間性も評価されるので、そこにB検の効果を感じています」(堤下校長)。
B検合格を機に意欲向上をはかる 資格取得をサポートする研究所も設立
 「建設ビジネス学」は、施工管理技術者を育成する土木工学科と建設エンジニア学科では必修、それ以外の学科(建築学科・建築CGデザイン学科・空間デザイン学科・住環境リノベーション学科・ガーデンデザイン学科)では選択科目としていますが、実際は全員が受講するため「実質、全科必修」です。さらに昨年度からこれまで希望者が受けていたB検の試験が全員受験になりました。学生が1人1台ずつノートパソコンを持つなどIT環境が充実し、受験しやすいCBT方式に切り替えた背景もありますが、「学生に試験に合格する喜びを知ってほしいというねらいです。高校まで何も検定試験を受けたことがないという学生もおりますし、B検は入学して最初にトライする試験です。その合格を弾みに次の資格に挑むモチベーションを高めてほしいですね」と堤下校長。
 資格取得を重視するのは管理技術者としての道筋を学生時代から付けるという方針に加え、就職活動において大学生と同じ土俵で勝負する時の強みを増やすためです。そこで、資格情報の一元管理を行う専門部署として昨年度から「修成教育研究所」を設立しています。これにより学生一人ひとりが持つ資格を見える化し、また学生が、学科の垣根なく希望する資格にアプローチしやすくなりました。
 専門教育を受けた証しとしての数々の資格の中にあって、B検は人材教育の成果を一手に担う位置付け。その必要性はますます高まっています。
(取材日:2023年7月26日)
一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団
情報検定はJ検
B検X
非常勤講師としてB検の指導にあたる方へ
協力保険会社
私たちは、学生生徒災害傷害保険を通じて、「ビジネス能力検定(B検)ジョブパス」
「情報検定(J検)」を応援しています。